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易学-成立と展開(サーラ叢書) [本(東洋史]

『易学-成立と展開』
本田済(支那哲学)
平楽寺書店(1960)


易がどのように成立したわかる。良書。

『漢書』によると八卦は包犠、卦辞は文王、十翼は孔子が書いた。

古代人は共通の職業の者はギルドを作り共通の標識を持っていた。
卜筮者は蜥蜴らしい。
易は蜥蜴の意味だから。

易の辞は結構、下世話だ。
棚からぼた餅、花より団子、老いが至るまでに歓楽を尽くせ
やもめ世帯に花が咲く、三人旅はまとまらぬ。
など。おみくじと変わりません。

朱子と鄭玄の違い。
鄭玄は、真理は経の中で完結していると考えたが、
朱子は、真理は万物にあり、経は真理をつかむ手段とした。
朱子はかなり論理的である。

『不老不死という欲望』
三浦國雄(中国・朝鮮思想史)
人文書院(2000)


不老不死を目指す道教思想のしくみ。

房中術とは、sexを養生や長生術に転用すること。
六朝の道教徒は、二十歳に過度儀があり、
師の前で性交するらしい。
エロ・カルトだ。

中国人は現世で楽しむのが好き。
思凡とは、天上人の下界ホームシック。
仙人になって天界に登ると、地上が恋しいらしい。

悟りの違い。
儒教の悟りとは、楽天知命、天人合一、脱然貫通。
老荘の悟りは、喪我、坐忘、心斎、虚室生白、槁木死灰。
道教では、白日昇天となる。

ユング心理学者J.シンガー
太極拳とは、
無極太極から陰陽が生じ万物が生じる天地創造の舞いである。
という。易がベースにある拳法なのだ。

漢末には陽九百六の会という終末論があったらしい。
ちょっと気になる。後漢末?前漢末?……どっちだろ。

『神々の誕生』
貝塚茂樹(古代中国史、甲骨文字)
筑摩書房(1963)


戦国までの神話文化を世界比較で理解する。

戦国時代以前の資料は口頭伝承。
漢以降とは、資料の質が違うのだ。

戦国時代の宮廷では、故事暗唱の口頭伝承の物語により子弟を教育した。
語とは、古の王様の故事によるたとえ話のこと。
国語という書は、まさに各国の故事集だ。

秦漢の頃には、
もの凄い形相をした蚩尤の肖像画が民間に普及し、
悪魔を払う守護神とされた。
漢高祖も挙兵に蚩尤を祀った。
蚩尤は、青銅武器の発明者にして軍神であったのだ。

月に兎がいるという伝説は後漢の末に成立した。
それまではカエルだったようだ。

『修訂 中国の呪法』
沢田瑞穂(中国文学)
平河出版社(1984)


道士と呪術の話。資料。

鬼神を使役する高獲は、光武帝の友人でもある。
田中芳樹氏の小説にも出ましたね。
また禁気の術をする劉憑は隊商の護衛もした。
漢代に専門の視鬼がいた。巫の一種である。
その邪鬼の制圧の道具は符と剣と水である。

魔除けの絵になった泣く子も黙る勇士たち。
劉胡、楊大眼、麻秋、檀道済、桓康。
詳しくはわからない人もいるな。

声を長く引く口技、長嘯。魏晋から唐の名士に流行した。
口をすぼめ両唇を合わせまるめた隙間から呼気を押し出す。
霊魂、役鬼、精霊、鳥獣、風雲、雷雨など異類異物を招集する呪法。
口笛なのか、声なのか、モンゴルのホーミーみたいなのか気になるな。

漢の武帝を呪詛した事件。
武帝の離宮甘泉宮に至る車道に木人を埋める。
一般に、木を刻んで人の形にし土中に埋める。
枷を加え両手を縛り心臓に釘を打つこともあった。

道士の悪のエロ技、玉女喜神術。
女を裸にして姦淫するらしい。
催眠術か?

戦場でのエロ技、陰門陣の秘法。
陰部まるだしの女たちを陣頭に立てて敵の火砲を沈黙させるという。
明代に実際に行われたらしい。

『風水探源』
何暁昕(風水研究)
人文書院(1995)


風水の歴史的研究書。

風水という言葉は郭璞の『葬書』より始まった。
意外に歴史は古い。

最古の風水書は、『堪輿金匱』。
そこに六壬術がある。
六壬盤を用いて占うらしい。
『論衡』には、図宅術、禁忌、厭勝、魔除けなども記載され、
風水関連の技は漢代に既にたくさん広まっていたらしい。

・今日の一言
太極拳は天地創造の舞いである。(J・シンガー)
Tai chi chuan is the dance of the Creation. (J.Singer)
태극권은 천지창조의 무용이다. (싱거)
太极拳是开天辟地的舞蹈。(辛格)

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