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数 コンピュータ、哲学者、意味の探究-はじめからの数学3 [本(数学]

はじめからの数学3
『数 コンピュータ、哲学者、意味の探究』
ジョン・タバク(サイエンスライター)
青土社(2005)


数の本質を知る。数理哲学の話。

メソポタミアの60進法。60進法の利点とは?
60が基数だと1カ2/3は1;40と表記する。
すなわち割り切れるのである。
60は約数が多いので、
分数の多くは割り切れるので便利なのだ。

メソポタミア人の高度な数学。
円周率は何と小数点以下百万桁まで計算していたことが
楔文字の粘土板記録されているという。

古代中国の算棒は正負で色が違う。
赤が正の数、黒が負の数である。

負の数を考えたのは、
インドの数学者天文学者(598?-655?)のブラフマグプタ。
0もマイナスもインド製だ。

序数と基数の違い。
数え上げるには集合の要素に順番が必要だが、
対応関係なら順序が不要になる。

トリストラム・シャンディの生活と意見。
自分の生涯を語るのに自分の生きている時間以上が必要だ。
……不思議な物語である。

はじめからの数学4
『確率と統計 不確実性の科学』
ジョン・タバク(サイエンスライター)
青土社(2006)


まとまり悪いし、数学っぽくない。

ランダムの定義
ある数列を記述するコンピュータプログラムが、
その記述と同じ長さならランダム。
圧縮できるデータはランダムではないわけ。

メソポタミアのウルの4500年前の双六は
二十ますのゲーム。
双六や賭博はみんな大好き。
ローマ皇帝のアウグストゥスも常習賭博者だった。

合衆国対ホームズ事件の判決。
船が沈没し、救命艇には人数オーバーで沈んでしまうと、
乗客を海に投げ捨てた。
船員は裁判で訴えられ、
判決は、投げ捨てる人はくじ引きで決めるべきとなった。
殺す必要は認められても、平等でなければならないわけ。

ハレー彗星で有名なエドモンド・ハレー。
統計学者として保険計理学の論文も書いた。
またニュートンのプリンキピアの序文を書き、
校正もし出版費用を出した。

統計学は数学というより科学。
現実にある数が対象で理論が現実に合わなければならないから。

はじめからの数学5
『数学と自然法則 科学言語の開発』
ジョン・タバク(サイエンスライター)
青土社(2005)


科学史。

シラクサ防衛でのアルキメデスの活躍。
投石機、レンズ光線、
鈎クレーンでローマ海軍を撃退した。

ギリシア科学でも突出したアルキメデス。
根底原因の特定を求めたのである。
著書『方法』は幻の書であった。

これって小説のネタに使えそう。
西洋からアルキメデスの幻の書を入手、
それを解読して驚異の軍師として活躍する話って、
どうだろ?

このシリーズ、"はじめからの数学"というタイトルは誤解を招く上に、
読者を遠ざけてまずいと思う。
"数学の誕生"か"数学の物語"かそのまま"数学の歴史"か。
私なら"数学の物語"にするかな。

はじめからの数学全5巻、1、2、3まではかなり良い出来。
4と5は、数学史とは少し違う感じだ。

はじめからの数学1
『幾何学 空間と形の言語』



はじめからの数学2
『代数学 集合、記号、思考の言語』


・今日の一言
私の人生を語るには自分の生きている以上の時間が必要なんです。
I need more than my own lifetime to tell my life.
내 인생을 이야기하는데 자신이 살 수 있는 이상의 시간이 필요해요.
要说我的人生,需要比我的人生还长的时间啊。

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