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老荘を読む(講談社現代新書) [本(東洋史]

『老荘を読む』
蜂屋邦夫(中国思想史)
講談社現代新書(1987)


老子と荘子の解説。まとまっている。

鯤という巨大な鳥は、台風の具象化。

老子の出身地は、楚苦縣厲曲仁里
困窮している県の病にかかって仁をねじ曲げている村という意味。
架空の村である。

唐の挙兵に現れた老子の使者、白衣の老人。
唐は李家であり、老子を信奉していた。

ところで、光武帝も河北で白衣の老人の指示を受けたのだが、
これも老子の一派かなあ。

老子はさまざまな解釈が可能な本
天地自然に関心をよせた哲学的解釈
生命の維持に留意した身体論的解釈
即物的性的解釈も可能だ。

荘子も意外に普通の人。
妻子があり、弟子もして、先生もいて、遊説もしていた。

トルストイは老子を理想化して"イワンのばか"を書いた。

老子は韓非学派のテキストかも。

心に真宰=主体なし。
これは禅でも言われることの多い、東洋的認識論の精髄である。

生死は気の運動
(人之生,氣之聚也。聚則為生,散則為死)
荘子の認識論哲学はなかなかと思う。

哲学では、
存在論⇒認識論⇒言語論⇒自然主義という流れがあるとされる。
老子は存在論で、荘子は認識論なわけだ。
朱子や王陽明は言語論なのかな?

天地を棺とし日月を副葬し星を宝石とし万物を葬礼の品とする。
竹林の七賢の劉伶もそっくりなことを言ってたな。

真人はかかとで息をし凡人は喉で息をする
(真人之息以踵,衆人之息以喉)
これ剣法の理論に使えないかな。
人間は、空中では支えがないから力が出ないもの。
大地から力を得るという意味で足を意識するのは、武術っぽいと思う。
臍下丹田よりさらに低い位置なのが興味深い。

タグ:蜂屋邦夫
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コメント 1

toshi

「老荘を読む」という本に写真が載せられている、楼観台に行ったことがあります。ここで、本当に老子道徳経が著されたのかは知りませんが。
by toshi (2007-03-26 20:46) 

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